プレスリリース 2011.1.11 UVカット商品の現状とこれから
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UVカット商品の現状とこれから
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■伸びるボディケア商品
「UV」がultraviolet (紫外線)の略称であることなど、もはや女性に説明の必要は
ないでしょう。
女性誌の誌面には1年中、UVカットの言葉が踊り、化粧品売り場にも年間を通して
UVカット商品が並んでいます。
UVカット機能が求められているのは化粧品だけではありません。下着、衣類、帽子、
手袋、サングラスカーテン等など、UVカット機能は幅広いジャンルに取り入れられて
います。UVカット商品を使用する中学生も珍しくありません。
乳幼児の日焼けを防ぐためにUVカット商品を早くから用いる母親も増えています。
UVカット志向はいまや女性の全年代におよんでいるといえるでしょう。
カテゴリー別に見ると、特に伸びているのがボディケア部門です。
富士経済の調べによれば、UVカット機能を備えたボディケア商品は
2010年に前年比9.2%増の伸びを示しました。
猛暑日が続いた昨年の夏、ボディシャンプー、リップクリーム、ボディクリーム・
ローション、サンタン・サンスクリーンが高い売れ行きを示したのです。
2011年の夏の平均気温も高く、1898年以降の114年間で4番目の高さでした。
夏の気候が亜熱帯に近づいている日本において、UVカット商品の勢いが衰えることは
なさそうです。
■人気のUVカット商品に共通する傾向とは?
数ある好調なUVカット商品の中でも高い人気を集めている商品から、
特長的人気要素を挙げてみましょう。
・さらさらとしたテクスチャー
・透明
・適度なSPF値(20~30)
・顔にも体にも使いやすい
・下地として機能あり
UVはカットしたいけれど、白浮きするのはいや。付けた感触がサラーっと水のような
テクスチャーがいい。
これが女性の切なるニーズなのです。
■見逃せないノンケミカル志向
ところで、女性は「紫外線吸収剤を使用していないノンケミカルタイプ」という
言葉にも強い反応を示します。
化学的な仕組みで紫外線が皮膚の細胞に浸透するのを防ぐ紫外線吸収剤に対して、
酸化チタンや酸化亜鉛などを成分とするノンケミカルの紫外線散乱剤は、
物理的な仕組みで紫外線を散乱・反射させます。ナチュラル志向の強い女性が好むのは
当然後者。
「ケミカルなものはできるだけ避けたい」。こう考えるからです。
しかしながら、ノンケミカルで白浮きしないUVカット商品を実現することは技術的に
容易ではありません。
現に、現在市場で人気のある商品も、成分としてはともに紫外線吸収剤を使っています。
にも関わらずマーケットで好調を示しているのは、透明感のあるテクスチャーと
使いやすさが高く評価されているからにほかなりません。もし、ノンケミカルで
白浮きしにくいUVカット商品が技術的に可能になれば、マーケットで大きな反響を
得るのではないでしょうか。
■機械処理と職人技、2つのアプローチで問題解決へー
UVカット志向の高まりを受けて、弊社にも、ミストローションにUVカット機能を
持たせたい、透明で、白浮きしにくいノンケミカルのUVカット商品を作りたい等など、
さまざまな要望が寄せられています。
白浮きを防ぐには、酸化チタンの量を少なくするのが一番効果的ですが、
少なくしてしまうとSPF値を高く保つことはできません。
ではどのようにして、高いSPF値を実現しつつ、白浮きしづらい製品に仕上げるのか。
弊社では、2つの方法でこの難問に挑んでいます。
1. 機械処理による解決
一つは、カスタマイズ スタビライザーをはじめとするハイスペック装置の活用です。
カスタマイズ スタビライザーは化粧品業界での導入事例はあまり例がなく、
主にハイテク産業に多用され、リチウム電池や燃料電池の電極版製造といった工程で
広く使用されています。
粒子を柔らかく分散し、材料表面にダメージを与えることなく、試料を混ぜ合わせて
均一に粉砕・分解・乳化する能力が高く評価されているからです。
カスタマイズ スタビライザーの内部のホールは毎秒50mという高速で旋回し、
そこには6700Gもの遠心力がかかります。材料を細かくきれいに分散するこの力が、
実は白浮き防止に高い効果を放つのです。
2. 職人技による解決
もう一つの方法が、処方による解決です。
組み合わせのちょっとした加減で、できあがった化粧品の機能や効果は大きく異なり
ます。酸化チタンの使用量を軽減する一方で、SPF値UPを期待できるエキスを組み合わせ
るといった「処方の妙」、つまりは、繊細な職人技を駆使したアプローチといえます。
また、弊社ではSPF値を高く維持できる天然素材のリサーチも進めています。
新たな天然素材と酸化チタンとを組み合わせ、微妙に処方を変えていくーー。
この試行錯誤の積み重ねにより、白浮きしづらくかつUVカット効果の高いノンケミカルの
製品を実現を目指し、日々挑戦を重ねています。