プレスリリース 2011.4.13 高級クリームの開発に挑む
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高級クリームの開発に挑む
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化粧品マーケットでは、1個5万円~10万円もの高級クリームが多数発売され、
人気を集めています。高いパフォーマンスと優雅な気分を堪能できる高級クリームは
1回あたりに換算すると納得のいく価格であるーー。そう考える女性は決して少なく
ありません。特に年齢を重ねた女性ほどその志向が強くなっています。
こうした動向を踏まえ、弊社ではお客さまからのご依頼に即対応できるよう、処方や
開発、原料・素材、営業の各担当者の計5名に、アドバイザーとして社長を加えた
プロジェクトチームを結成し、高級クリームの開発に挑戦してまいりました。
今回は、その開発の最前線をご紹介しましょう。
■市販の高級クリームのリサーチ
高級クリームを開発するにあたっては、まずマーケットリサーチが欠かせません。
実際に販売されている高級クリームを数点購入し、その実力を比較したところ、
主に3つの傾向・特徴が見受けられました。
1. テクスチャーがなめらかで浸透感がある
2, 高機能である(抗糖化、細胞の修復など)
3. 香りが良い
次に、各項目について弊社がどのような取り組みを繰り広げているかを
ご説明しましょう。
■上質なテクスチャーを目指して
市販の高級クリームのテクスチャーをマイクロスコープで観察すると、1μm(0.001 mm)
前後の均一な粒であることがわかりました。
弊社が過去に開発したクリームの粒は3~10μm前後。高級クリームを使用したときの
なめらかな手触り、高い浸透感はきわめて小さく均一な粒によるものであることが判明
しました。この結果をもとに、プロジェクトチームはクリームに使用する原料の選定を
行いましたが、このときこだわったのが植物系の原料です。
最近のユーザーは自然の素材を好み、なかでも植物の人気は年々高くなっています。
そこで、植物系に照準を合わせて試作を行い、官能評価やマイクロスコープによる観察、
すべり性(つけたときの指のすべりの良さ)の測定を繰り返し、ときには乳化方法を
変更して異なる原料を使用するなど、さまざまな角度から半年間もの時間を費やし
試行錯誤を重ねました。
そして、たどりついたのが1μm前後の均一な粒を持つクリームです。ただし、フェイス用と
ボディ用とでは求められるエモリエント感が異なります。そこで、フェイス用については
エモリエント感が長続きするタイプを、クリームを塗る表面積が大きくボディ用については
フェイス用よりもさっぱりとして塗りやすく、べたつきの少ないタイプの2種類を
開発しました。官能評価ではどちらもテクスチャーがなめらかで浸透感が高いと
高い評価を獲得。機器を用いたすべり性測定でも、市販の高級クリームと同等以上の
なめらかさを示しています。
■機能性原料の試作を重ねて
高級クリームに不可欠である「高機能」を実現するため、プロジェクトチームは販売され
ている原料だけでなく、自社オリジナルの原料を開発し、独自性を追求しました。
このときに活躍したのが、高圧処理装置です。原料そのものをナノ化するだけでなく、
すべてを混ぜ合わせた後に微少化・均質化し、しかも製品の安定化についても高い効果を
発揮するこの装置を使って試作を重ねた結果、粒径300nm(nm=10億分の1メートル)の
ナノ化に成功。浸透感の高い原料の安定的配合を実現しました。加齢により肌が乾燥し、
シワやたるみが出来て弾力性が失われます。乾燥を抑制し、弾力性を取り戻すのに効果の
あるのがセラミドです。肌のうるおいに欠かせず、細胞と細胞の間でスポンジのように
水分を抱え込んで蒸発を防ぐセラミドはいま、女性の間で非常に関心が高い抗糖化成分。
安定性に欠けるというデメリットがあったこのセラミドを処理することにより安定して
配合できるため、効率良く肌に有効成分を届けることができるのです。
■高級感のある香りを追求して
市販の高級クリームの多くは高級感のあふれる花の香りが用いられていましたが、日本
市場においては日本人向きの香りが不可欠です。私たちが理想としたのは、つーんと
鼻にくる香りではなく、安らぎを感じられる優しくふわっと広がる香りです。また、
プロジェクトチームは女性の自然志向に応えて天然乳化剤の使用にこだわりましたが、
市販の高級クリームの中には、天然乳化剤を使用しているために基材の匂いが消えて
いない商品も見受けられます。これは何としてでも避けなければなりません。
プロジェクトチームは香りの本場であるフランスの調香師に依頼し、届いた香料を何種類も
嗅いでは評価を繰り返し、奥行きを感じられる高級感の高い2種類の香りを選択しました。
こうしてできあがったのが、華やかなバラの香りを用いたフェイス用と、爽快感あふれる
フローラルグリーンのボディ用のクリームです。懸念されていた基材の残臭はいっさい
ありません。理想を実現できたと自負しています。
■肌の改善効果はー!?
プロジェクトチームは開発の最終段階として、実際にクリームを使用した場合の肌の
改善データを測定しました。ふだんあまりボディケアをしていない普通肌の30代女性を
被験者に1ヶ月間、入浴後、かかとにボディ用クリームを塗布してもらったところ、使用前は
かさかさしていた肌が使用後にはなめらかになり、水分量の測定も40%水分量がアップした
という結果になりました(相対値)。
また、お客様からも「今までにない仕上がり」と高い評価をいただいています。
塗布テストも実施しましたので、写真をブログにUPしています。
是非ご覧ください。
https://www.cs-lab.co.jp/oem_labo/高級クリームテスト結果/
スキンケアの仕上げとしてクリームは重要な役割を果たしています。
弊社プロジェクトチームは、最新の技術を投入し、テクスチャー、機能性、香り、効能の
いずれにおいても「高級クリーム」の名に恥じない高い完成度の高級クリームを
実現しました。今後もさまざまな案件にこの高級クリームを応用し、さらなる挑戦を
重ねてまいります。